六畳一間

ボーイッシュなレズは彼女を作るのが大変だ

あなたが男だったら私はあなたを好きにならなかった

 

男の魂が宿っている?


「君には男性の魂が宿っているんだね」
以前お世話になっていた婦人科の先生が私のことをそう言った。

元カノにつき添ってもらった診察時に先生がそう言った。
見た目も中身も女性らしい元カノと見た目がメンズライクな私の組み合わせを見て、
先生は私には男性の魂が宿ったと思ったのだと思う。

私の魂はじつは女性ではないけれど男性でもない。
女性:男性=5:5ぐらいか?日によっても違う気がする。
私のジェンダー、私と元カノがしっかりとしたパートナーであることを、
なるべく理解しようという先生の気持ちが伝わってきてうれしかった。

先生は私のことを大層気に入って、毎回私の診察に膨大なおしゃべりをした。
私も先生も笑いっぱなしで、ほとんど治療と関係ない話ばかり。
私の次以降の患者さんを長く待たせてしまった。ごめんなさい。
先生はとても腕のいい先生でもある。
元カノに「痛み恐怖症」とからかわれていた私。
エコーや内診に毎回かなり緊張する私にアレコレ笑える話をふって、
私が笑っている間に私の苦手な検査を終えてしまう先生。
痛みもほぼなし。
私の病気が進行したため今は別の病院に通っているけれど、
年賀状のやり取りで先生の自宅の住所を教わったので、
いつか手紙を書いて近況報告したい。
ちなみに先生は偉くなったので、だんだんと長話ができなくなった。

 

私のセクシュアリティ


私のセクシュアリティはヘアスタイルやファッションをメンズライクにしていれば、
体を男性にせずとも心は十分満ちる。
また、ここ15年ほどで自分の魂や心が男の子っぽいところもあるけれど、
基本女性なのだと肯定できるようになった。

子どもの頃、私は弟たちと同じように男の子なのだと思っていた。
初潮が来て私は女の子だと思うようになったけれど、自分が女の子なのが嫌だった。
高校生の頃には男の子になりたいと思った。
大学生で2丁目に行くようになり、
ホルモン注射?で体や声を男性にしている人を見て憧れた。
しかし、意気地なしの私がおっぱいを手術するなんてできるわけがない。
当時仲良くしていたセクマイの友達にもやめた方がいいと言われてやめた。
人に言われてやめるぐらいの気持ちだったと言うこと。

それでも自分の体に対する嫌悪感があったことは確か。
下着を買いに行くとか生理用品を買うとか自分の胸が大きいこととか。
すべて嫌でたまらなかった。

過去ふたりの彼女に私は自分は男になりたいと何度も言った。
その度にふたりはあなたが男だったら、あなたのことを好きにならなかったと言った。
何度もそう言われて、とくに元カノに何度も言われて、
だんだんとどうでもよくなってきた。
私はボーイッシュだけど女性より男性に好かれることも少し影響した。
私は人から見れば、とくに男らしくないのではないか?
だんだんと自分の心とか魂がそこまで男らしくないことが分かってきた。
もちろんそれは前の彼女のおかげが大きい。
私はどうも女子力高めらしいのだ。
元カノは私の最愛の人。
元カノという鏡が私は見た目はボーイッシュだけど女子力が高いということを、
そしてそんな私はそれなりに素敵なのだということを教えてくれたのだ。
私は元カノに愛されたおかげで、
心も体も玉虫色の私をそのまま受け入れることができたような気がする。

昔実家で当時流行ったアメリカンショートヘアをたくさん飼っていた。
理由があって去勢できない雄と雌がこっそり交尾してしまった。
5匹のかわいい子猫が生まれた。
みんなか美しい縞模様。その中の1匹はとても変わった風合いだった。
きれいな縞模様でなくグレーが自由にグラデーションしていた。
その子以外はお世話になっていた動物病院の看護師さんにもらわれた。
その変わった風合いの子はもらい手がなかったり、
かわいがってもらえないのはかわいそうだからウチで飼うことにした。
私たちはフウと名づけて、その子をかわいがった。
あとで知ったけれど、その風合いは珍しくて貴重な模様なのだそう。

私は自分とフウを重ねる時がある。
最初は醜いかもしれないと思ったその姿が珍しくて貴重で素敵なのだと。

私は見た目と中身がミスマッチかもしれない。
でも、そこが私の魅力なのではないか?
フウが生まれてきた時のことを思い出す度、そう思うのだ。
そして、そう思わせてくれた魔法の鏡である元カノにいつもいつもありがとうと思う。

 

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