六畳一間

ボーイッシュなレズは彼女を作るのが大変だ

ショートストーリー

アラームトーク

カーテンを開けると外の緑がキラキラしている。私は朝が弱い。私は精神障害者向けの作業所に通っている。ここに通っている人たちは全員障害者。そこにいる人が全員障害者ってそれって異常な場所だと私は思う。この世の中は健常者と障害者で暮らす場所が分か…

携帯電話

祖母が亡くなってからも祖母の携帯電話の番号を消せずにいた。スマホのアドレス帳をめくる時、祖母の名前が見えると、なんとなく祖母に会えたような気がするから。 ある晩の仕事帰り。私は少し酒を飲み過ぎた。祖母の携帯電話の番号を今は誰が使っているのだ…

青春居酒屋

ボロい飲み屋 下北沢の西口から結構歩いたところに私の青春居酒屋があった。下北沢のにぎやかさと離れた閑静な住宅街の一角に鬱蒼と木が繁る。そのかげにひっそりと古い木造のアパートがある。その隣に青春居酒屋があった。木材やらトタンやら、ちぐはぐな建…