カーテンを開けると外の緑がキラキラしている。
私は朝が弱い。
私は精神障害者向けの作業所に通っている。
ここに通っている人たちは全員障害者。
そこにいる人が全員障害者ってそれって異常な場所だと私は思う。
この世の中は健常者と障害者で暮らす場所が分かれている。
知ってた？
私は健常者に交じると馬鹿にされてしまう。頭が悪いから。
作業所ぐらいしか通えるところがない。
話それたけど作業所にはそんなに早く行く必要はないわけなんだけれども、
さすがに毎日起きる時刻が13時というのはいかがなものかと思うのだけど起きれない。
ゆえに私は大音量の目覚まし時計を探している。
ヤマダ電機とかヨドバシカメラだとかに行ったけれど、
私を起こしてくれそうな目覚まし時計は７千円以上する。
メルカリで大音量の目覚まし時計を探した。
ヨドバシで７千円以上した品がメルカリでは３千円ほどで買えるとわかった。
私は申し訳ないと思いつつ値引き交渉してみた。
300円値引きしてくれるというので、私はすぐにぽちった。
ところで目覚まし時計が壊れないようにきちんと梱包してくれただろうか？
なんとなく不安だったけれど、そんなこと考えていたらメルカリなどやってられない。
ぽちってから数日。
玄関の呼び鈴が鳴った。
もちろんメルカリからだった。
私はすぐに箱を開けた。
目覚まし時計に異常はなかった。
箱には割れ物シールも貼ってある。
時計には壊れないようにきちんと緩衝材が巻きつけてある。
ちゃんと鳴るかテストしてみよう。
その時私は気づいた。
目覚まし時計の針が５時にセットされていることに。
ああ、この目覚まし時計の持ち主は毎朝５時に起きていたんだ。
今はどうやって毎朝５時に起きているのだろう？
どこに住んでいる人か？なんていう名前なのか？男か女かさえわからない人から譲り受けた大音量の目覚まし時計をベッドサイドに置いた。
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